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先輩イクメン、ママの日々
きのこ母 2014.04.14

みんなが気持ちよく乗車できる社会って?

■国土交通省が共通ルール&「ベビーカーマーク」を発表

3月26日、国土交通省は「電車やバスなどの車内では、ベビーカーを折り畳まなくてもよい」とする共通ルールを決定しました。子どもや荷物を抱えながらベビーカーを折り畳むことは危険と判断。混雑時を含めて、従来のように「畳んで乗車」を呼びかけることは原則的にしないと決めました。周囲に理解と協力を求めるために、車内のベビーカー優先スペースや優先エレベーターには全国統一の「ベビーカーマーク」を掲示。一方、エスカレーターなどベビーカーを畳まないと危険なエリアには、広げたままの使用を禁止するマークが掲示されます。

「車内でベビーカーを広げたまま利用」はアリかナシか?という問題については、賛否両論があります。国土交通省の調査によれば、電車にベビーカーで乗車することを「迷惑ではない」と答えた人は7割近く。一方、ベビーカー使用者のマナーについて「不満がある」と答えた人は6割近く。「乗ってもいいけど、マナーを何とかして」という意見が多いと言えます。

確かに、「子連れは譲ってもらって当たり前」といった顔をして優先席でスマホや化粧に夢中、子どもをほったらかし、出入口を平気でふさぐ…といったマナーのない保護者がいるのは事実。通勤ラッシュなど混雑時は、「畳んでも迷惑」「空いている時間に乗るべき」といった乗客の声も。

逆にお母さんたちには、「子どもが寝ている時に畳むと泣くかも」「ちょっとグズっただけで舌打ちされる」「保育園の送迎がラッシュ時と重なる時もある」といった悩みもあり、乗客とベビーカー利用者の感覚は対立しがちに。

■お互いの気持ちを想像しあい、心遣いを

子育て経験のない男性にとって、ベビーカーで乗車するお母さんの気持ちは想像しにくいかもしれません。私がベビーカー乗車初心者だった頃、オムツ、お茶、絵本、着替え…と外出対策の荷物を詰めすぎて、バッグはずっしり。バックを斜め掛けにして子どもを抱き、畳もうとしたらベビーカーが転倒したことも。「泣いたらどうしよう」とハラハラしながら、10分が1時間にも思えました。

今は子どもを抱いてベビーカーを畳むのも慣れましたが、現在娘は2歳で約13キロ。荷物を両肩両手にぶらさげ、抱っこで乗ると「もう限界!」と叫びたくなる瞬間があります。救いになるのは乗り合わせた皆さんの温かな声や、まなざし、手助けです。「ベビーカー乗せるの手伝いましょうか?」「今いくつ?大変ね。分かるわ」というさりげない言葉。特にジンとくるのは、男性が助けてくれたときです。離れた席から人をかきわけ、サラリーマン風の男性が「よかったらどうぞ」と言ってくださったことが何度かありました。お元気なおじいさんが「手伝いましょう」と、段差の高いバスの車内へベビーカーを一緒に上げてくれたことも。

こんな時、実は号泣しそうになるほど感動するのです。人の情けがしみる、とはこういうことかと。本当はガッチリ握手して、ありがとう!と抱き合いたいくらい。子育てはともすれば孤独で、場合によっては1日中赤ちゃん以外誰ともしゃべらない日だってあります。「社会から離れてしまった感」に苛まれるとき、電車で迷惑そうな顔をされるだけで心が折れ、「畳んでください」なんて言われようものなら外出恐怖症にもなりかねません。

ベビーカーマークなど公式にルール付けされなければ、人と人が寛容になれない社会とも思えるのは寂しいこと。気持ちよく乗り合わせるためのちょっとしたマナーや心遣いがあれば、本来そんなに難しいことではないと思うのです。男女問わず子育て経験のある人ない人、必死で子育て中のお母さん、子育て大先輩のお年寄り。全ての人がお互いの気持ちに少し想像力を働かせて受け容れあえば、みんなが気持ちよく乗車できる社会に近づけるのではないでしょうか。

ペンネーム「きのこ母」
フリーコピーライター歴11年。
H24年3月実家のトイレで産気づき、長女を高齢ヒヤヒヤ出産。福岡にて必死のパッチで育児&仕事中。

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